2017年5月29日月曜日

「マニュアル車(MT)復活で事故を減らせる」は本当か


高齢者による事故のニュースが流れると、よくこのような主張を見かけます。
中には「高齢者はMT限定にするべきだ」なんて極端な意見を書く人もいます。
果たしてこれは本当なのでしょうか。

アクセルとブレーキの踏み間違い

高齢者による自動車事故のニュースでここ数年よく見かけるのが「アクセルとブレーキの踏み間違い」によるものです。
コンビニなどの店に突っ込んだ……なんてニュースでは必ずこんな供述ですよね。

これは確かにマニュアル車(MT)なら防げた事故だと思います。
マニュアル車であればアクセルとブレーキを踏み間違えたとしても、同時にクラッチも操作するため、エンジンを"ふかす"だけで済みます。
たとえ止まらなくとも、オートマ車(AT)のようにアクセルをふかして大暴走にはならないため、被害は最小限に収まるでしょう。
その証拠にMTの普及率が日本と比べて遥かに高いヨーロッパではこのような踏み間違え事故は少ないそうです。

しかし、他の事故についてはどうでしょうか。

ATの事故率はMTの2倍

鳥取環境大学の鷲野翔一さんが出した論文によればATはMTの2倍の事故率があるそうです。
事故の内訳は「右折事故」「左折事故」「出会い頭事故」「追突事故」「正面衝突事故」の5つ。
この5つのうち、「正面衝突事故」は両者とも同等の値であるものの、その他の4つではATがMTの2倍の事故率であると紹介しています(死亡事故についてはほぼ同等)。
この論文についてはNEWSポストセブンの記事でも紹介されています。

論文の原文はこちらのリンクからダウンロードできます。

ATのほうが事故率が高い原因は

個人的な感覚では、クラッチ操作などに煩わされるMTよりも、簡単な操作で運転できるATのほうが安全運転に集中出来そうで、事故率が下がりそうなものです。
しかし、論文では全く逆の結果になっています。
これはどういうことでしょうか。

論文によると運転に関する注意で占められる容量をATとMTで比べた場合、MTのほうがその容量が多いのだろうとしています。
運転に関する注意が減れば、それだけ他のことに関心が移ってしまうため、事故が多くなるということだそうです。

確かにMT者はクラッチやシフトレバーの操作が忙しくて、片手でスマホをいじる余裕はありませんもんね。
最近、本当に運転中にスマホをいじっている人が多い……。
老若男女問わず。

MT復活で事故減らせる?

個人的にはこれ、実現可能かという点で微妙だと思います。
確かにアクセルとブレーキの踏み間違いや、運転以外のことに注意がそがれることによる事故は少なくなるかもしれません。

でもそれはMTの普及率が上がれば、の話です。

現在販売されている自動車の98%以上がオートマ車で、免許取得者の半数がオートマ限定免許を取るこの時代に、今更マニュアル車を普及させようというのは無理難題のような気がします。

結局のところ、自動ブレーキシステムなどの安全装置の普及率を上げるという方向に行くしかないと思います。

理想はドライバー一人ひとりの安全運転意識が高くなることでしょうが……。

0 件のコメント:

コメントを投稿